人生の脚本
『先生、これ使ってください。今までのきれいにためて置いたんです。』
ある患者さんからのプレゼントをいた大のですね。
プレゼントと言っても、今まで当店で買い物をしてもらった時に入れてあげたビニール袋や、紙袋です。
でもこれも実は、経費がかかっているので、私的にはとてもうれしかったのね。
ただ、それ以上にうれしかったのは、その彼女の変容振りかなあ。
そう、その彼女は約10年近く当店を利用してもらっている方です。
長いねえ。
ありがたいのですが、ここまで来るには紆余曲折でしたね。
途中大喧嘩もしたり、逆に怒鳴られたり。
でも、彼女は通い続けた。
と言うより、自分と向き続けたのかなあ。
最初の頃は私もよくわからなかったので、彼女の
言われるがまま。
毎日、毎日文句を言い、毒舌を吐きにいらした。
辛かったんだろうねえ。
私もなんも解らんから、まず振られましたねえ。
彼女の一言一句にね。
そう、私が何か悪いんじゃないかって思うくらい。
でも、よくよく勉強をしていくと、彼女には相当の怒りがあった。
何の怒りって、自分かなあ。
人がする事成す事ダメなのよね。
例えば
買い物に行く。
レジで、お姉さんにいらっしゃいませを言われなくて、腹を立てる。
どなる。
上司を呼ばせる。
道で、すれ違う人が自分をにらんだように感じる。
向かっていって、怒鳴る。
様々な商品を買う。
糸が入っていた、塊のものが入っていた。
文句を言う。
証拠品はどこかにやってしまう。(本人曰く)
でも、入っていたことには間違いないの主張。
メーカーに商品を交換させる。
謝らせる。
謝礼を要求する。
他にも色々あるけど、これだけでも異常と思える行動だよね。
でも、彼女は異常とは言わず、逆に自分が一番正しい。
この10年の間当店も様々言われたけど、
ある時彼女の口から、生まれた時のことを聞いたのね。
それは、どうもお母様が神経を病まれていて、生んだ
その時、彼女を つまり赤ちゃんをね熱湯に入れたんだって。事をね。
そっかああ。
それから、お父さんは蒸発、お母さんは病院との入退院を繰り返す。
じゃあ、彼女は誰に育てられたかって・・・
おばあちゃんだったんだって。
で、そのおばあちゃんがやはりお母さんのようになってはいけないって思ったんだろうね。
彼女を非常に常識的に厳しく育てたわけだ。
だから、ほんの小さい事でも彼女は許されない。
自分を許されないんだからこそ、他人なんて以ての外な訳だ。
なるほどねええ。
だから、自分も病気出来ない事を他の人には要求するわけよね。
自分を認めて欲しいってね。
こんなに頑張っている自分がいるんだってね。
そうだよね。
お母さんに対しての怒りが自分に対する怒りに変わっていたのだから。
更にそれが他を通して出てきちゃっている。
常識的に言うと、親が生まれたばかりの子供熱湯に入れるなんて、許せるものではないわけだ。
それが自分がされたなんて聞けば、なおさらだよね。
小さい彼女は泣き叫んでいるよね。
それに、追い討ちをかけたのは、おばあちゃん。
このおばあちゃんは必要以上に彼女を厳しくしたって言うんだもの、子供の彼女だってわがまま言いたい時も、だっこしてもらいたい時も、褒めてなぜなぜしてもらいたい時だってあったろうにね。
それが出来ずに大人の世界へ。
それだも子供の頃の彼女の満たされない心は、欲しがるよねえ。
もっと、もっとってね。
だから、どんな小さい事も許せず、他者からの謝りを欲した訳だ。
異常なくらい。
でも、ここからがすごい。
彼女はそんな自分はダメだダメだって否定し続けていて。
これは自分の試練だ、練習の場なんだって毎度毎度
自分を見つめなおした。
ちょっとは優香ちゃんも応援したかなあ。
『許せなくて当然だよ。大丈夫。小さいあなたは良くおばあちゃんの言う事を聴いたよ。えらいよう。』
って言い続けてあげたかなあ。
そしたら、行動変容が出来たわけだ。
有難うとか、ごめんなさいをいえなかった彼女が
人に物を頼む時、申し訳ないんだけど、とか、
いいにくいんだけど、とか、お願いがあるんだけど
とかちゃんと挨拶をしてから自分の要求をするようになったのね。
また、この度のプレゼントだってね。
こんな相手の気持ちまで汲んでくれて、優しい笑顔で、持ってきてくれるなんてねえ。
私も涙出ちゃったね。
うれしくてね。
彼女の心が解け始め、そして、新たな自分を歩き出してきてるってね。
そして極め付けが、
『先生、私、今生きているって感じするのね。
で、この息をするのも、毎日起きてお掃除するのも楽しくて、ありがたくって、なんか涙が出てきて、感謝感謝なんだよねえ。』って言葉を頂いたわけよ。
あいやああ。
最初の頃は、とっても美人な方なのに、形相が恐いくらいでね。
でも、今は本当に優しい笑顔をされるわけ。
だから、美人がもっと美人にね。
で、人にも優しく出きる事が増えたんだって。
それって、自分を許し始めたからかもね。
『人生は脚本通りに。』
って言葉聴いた事あるけど、その脚本って自分で書くのよね。
それも小さいときに書いているらしい。
小さいときに身についた癖や生き方が脚本になっちゃうんだって。
だから、ダメダメって言われ続けると、新しい事をするのが恐い大人になっちゃう。
なかなか一歩が踏み出せないことになる。
頑張れ頑張れ、もっと早く、もっと成績も良く、
もっと、もっとと言われ続ければ、負けるのが恐い大人になっちゃう。
いつも競争している自分になる。
極め付けが、お前なんて生まれてこなければ良かったのよ。あなたがいるからお父さんとも別れられないのよ。
なあんて言葉を言い続けれられば、自分は存在してはいけない、居場所の無い大人になっちゃう。
いつも人の顔色、行動を気にするようになる。
そんな事が小さいときに自分の脚本となっていたら・・・。
本当の自分は何処だろうって事になるよね。
わがままもでちゃうよね。
じゃあ、その脚本とやらを書き換えればいい。
ダメダメは、オッケーオッケーに。
もっともっとは、そのままでそのままでいいに。
存在してはいけないは、自分は必要な人間、大切な人間って、小さい自分に言い聞かせるって事だよね。
そう。
目を閉じて、怒っていたり、震えていたり、
泣いている小さい自分を想像して。
そして、大人の自分がその子に何をしてあげたいかを
考える。
背中をなでてあげたいのか、頭をよしよししてもらいたいのか、だっこしておんぶしてもいたいのか。
それが出きる人は是非挑戦してみてね。
そんな事。って思っても、意外と心が楽になるみたいよ。
で、自分じゃ出来ないってって思う人は
今ここで、私が抱っこしておんぶして、よしよししてあげるよ。ね。
・・・。
いやいや大人のあなたじゃなく、そんな身体の方は
おぶれません。
・・・違うってね。
ね、小さいあなたに。
『そっかああ。なに、淋しかったって、苦しかったって、負けまいとして頑張ったって。よしよし。
よくやったさ。もう、そのままでいいよ。
あなたが生きているだけで、いいよ。大丈夫だよ。
あなたは私にとって大切な大切な人だからね。一緒に脚本書き換えてみようね。あなたのなりたい脚本に。ね』
皆さんがなりたい自分の人生の脚本が
うまく書けます様にお祈りいたしております。烈
ちなみに・・・・
優ちゃんの脚本はねええ。
ビキニでも着て、海で
イケメンのお兄ちゃんをゲットする。
とその前に、この○○腹を
カットする。輦
なかなか脚本通りにはいかんとよ。
まっ、またすぐ書き換えればいっかあ。
のほほほほ 秊